豪物価上昇率は8月7%、9月6.8%
オーストラリア統計局(ABS)は29日、消費者物価の総合指数(CPI総合)が7月に前年同月比7.0%、8月に6.8%それぞれ上昇したと発表した。6月四半期は同6.1%上昇しており、依然として物価が高止まりしていることが明らかになった。
ABSはこれまでCPI統計を4半期毎に算出して公表していたが、今年9月のデータから発表の頻度を月1回に高める。毎月のデータは約1カ月後に発表する。9月のデータは10月26日に公表するが、これに先立ち、7月と8月の限定的なデータを明らかにした。
日本や米国など世界の主要国の多くは、CPIデータを1カ月毎に発表している。四半期毎に算出しているのは、G20加盟国の中ではオーストラリアだけだった。1カ月毎に発表することで世界標準に合わせた格好。加速するインフレが経済に大きな影響を与える中で、景気予測の精度を高める。
なお、8月のCPIが前月比で0.2ポイント下落したのは、直近の原油価格の下落に伴って国内のガソリン価格が安くなった影響が大きい。CPI統計を各品目別に見ると、「自動車燃料」の物価は6月に前年同期比43.3%上昇したが、7月は前年同月比29.2%上昇、8月は同15%上昇と急速に鈍化している。「酒類を除く食料」は6月に前年同期比6.8%上昇、7月に前年同月比7.0%上昇、8月に同9.3%上昇と加速している。
変動率の大きい果物と自動車燃料を除くCPIの上昇率は、6月5.5%、7月6.1%、8月6.2%となっており、インフレが依然としてピークを越えていないことが分かる。
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