利上げ幅は0.25ポイント インフレ抑制のため金融引き締め継続
オーストラリアの中央銀行である豪準備銀(RBA)は4日、金融政策を決定する月次の理事会を開き、政策金利を0.25ポイント引き上げて2.60%とした。翌5日実施する。
利上げは5月以来6会合連続。32年ぶりの水準で加速しているインフレを抑え込むため、異例の金融引き締めを継続する。RBAは9月まで5会合連続で、通常の「2倍速」となる0.5ポイントの利上げを実施していた。今回は平時の0.25ポイントに戻し、ペースダウンした格好だ。市場予測は0.5ポイントの利上げだった。
RBAのフィリップ・ロウ総裁は、金融政策決定に関する声明で「政策金利を短期間で大幅に引き上げてきた。これを反映して、今月は0.25ポイント引き上げ、オーストラリアのインフレと経済成長の先行きを見極めていく」と述べ、2〜3%の物価目標に戻すためにあらゆる手段を講じる決意を表明した。
オーストラリアでは、コロナ禍後の経済再開や世界的な供給網の目詰まりなどを背景に21年後半から物価上昇圧力が強まった。今年に入り、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、世界的なエネルギー・食糧価格の高騰もあり、インフレが止まらなくなっている。
豪統計局(ABS)によると、消費者物価指数(CPI=総合指数)の前年同期比の上昇率は、21年12月期3.5%、22年3月期5.1%、22年6月期6.1%と加速している。消費税に相当する財・サービス税(GST)導入とシドニー五輪開催の特殊要因が重なった2000年前後(最大6.1%)を除くと、1990年12月期(6.9%)以来の高水準を記録している。
なお、ABSがこのほど公表を開始した暫定的な月次のCPI統計によると、前年同月比の上昇率は7月7.0%、8月6.8%だった。ABSはCPIを1カ月毎に公表している世界標準に合わせ、9月のデータから正式に月次の統計を発表する。9月の統計は10月26日に発表する予定だ。
■ソース
Statement by Philip Lowe, Governor: Monetary Policy Decision