VIC州警察が取締強化 罰金は900豪ドル
充電式の電池とモーターで走る新しい乗り物「Eスクーター」(電動キックボード)。オーストラリアでも自転車代わりの気軽な乗り物として注目されつつあるが、南部ビクトリア(VIC)州では公道を走ることは違法であるため、警察が取締に乗り出している。
6日付の公共放送ABC(電子版)によると、メルボルン郊外のパスコー・ベールで先週、Eスクーターに乗っていた28歳の男性が「スピード・バンプ」(速度制限用の路上の突起部分)に乗り上げ、頭部を強打して死亡する事故が起きた。これを受けて、VIC州警察は現在、Eスクーターの集中取り締まり作戦を実施中だ。
オーストラリアの道路交通法は州によって異なるが、VIC州の法律ではモーター出力200ワット以上、最高時速10キロ以上のEスクーターを公道で運転することは違法。州警察によると、違反した場合、車検登録のない自動車を無免許で運転するのと同じ罪で、最大909豪ドルの罰金刑となる可能性がある。
同州では、メルボルン市、ヤラ市、ポート・フィリップ市、バララット市に限定して、今年2月から高出力のEスクーターの社会実験を行っている。しかし、その対象は、決められたレンタル業者が貸し出す車両に限られており、これらの地域内でも、個人が所有する高出力のEスクーターを公道で乗ることは禁じられている。
警察によると、時速50キロのスピードが出せるEスクーターも珍しくなく、110キロ出せるモデルも販売されている。ただ、私有地内では運転できるため、販売そのものを禁止することはできないという。
VIC州警察のダレン・ケノス警部はABCに対し「車検切れの自動車を個人で売買することが可能なように、公道で走るのは違法でも購入はできるという商品はある。(Eスクーターの)販売自体を禁止するのは難しい。どのように使用するかは個人の判断だ」と述べた。
Eスクーターは主に海外の販売業者が販売しており、ネット通販で簡単に購入できる。交通法規を知らない販売業者も多いため、購入を検討する場合は自分が住む地域の交通法規をよく調べる必要がある。
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