中心部から空港まで最短15分
西オーストラリア(WA)州パースの市内中心部とパース国際空港を結ぶ鉄道の新路線が9日、運行を開始した。アンソニー・アルバニージー首相やマーク・マックゴーワンWA州首相らが出席して開通式典が行われ、市民に無料で開放された。営業運転は10日の始発から始まった。
開通したのは、パース東郊のベイズウォーター駅から分岐し、スワン川の下を掘ったトンネルを通って空港に至る8.5キロの新線。西から、レッドクリフ駅、エアポート・セントラル駅、ハイ・ウィコム駅の3駅を新設した。
レッドクリフ駅は、空港の第3・第4ターミナルがあり、500台収容の駐車場、80台の駐輪場を設置。エアポート・セントラル駅は第1・第2ターミナルに隣接。終点のハイ・ウィコム駅は空港の東側に位置し、バスターミナルと1,200台収容の駐車場、180台の駐輪場を備える玄関口として整備された。
中心部のパース駅からの直通所要時間は、レッドクリフ駅までが15分、エアポート・セントラル駅までが18分、ハイ・ウィコム駅までが22分。運転間隔は、ピーク時が12分毎、オフピーク時が15分毎、夜間が30分毎。運賃はパースのほかの鉄道網と同じ料金体系で、5豪ドル(非接触型ICカード「スマートライダー」利用の場合は4豪ドル)となっている。
新線は、建設費18億6,000万豪ドル(WA州政府が13億7,000万豪ドル、連邦政府が4億9,000万豪ドル)をかけて2016年に建設が始まった。軟弱地盤のためトンネル工事が難航したことや、コロナ禍の物資の供給不足などを背景に、完成は当初の予定より2年遅れた。
利用者数は、開業1年目に1日当たり延べ2万人、10年後の2032年までに2万9,000人を見込む。
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