ブリスベンで鉄棒を振りかざす男を射殺
オーストラリア北東部ブリスベンで11日、金属棒で武装した34歳の男が警官に銃で打たれ、死亡する事件があった。公共放送ABC(電子版)が報じた。
現場はサウス・ブリスベンのエドモントン・ストリートの路上。商店の屋根の上に不審な男がいるとの通報を受け、警官が駆けつけたところ、男は持ち手の着いた長さ30センチ金属製の棒を振りかざして抵抗。警官はスタンガンを発射したものの効果がなかったため、拳銃を3発撃ち、男は即死した。
発砲したのは、12年の職務経験があるベテランの女性警官と3年の経験がある男性警官。2人は州警察の倫理委員会の聴取を受ける。
死刑制度を廃止しているオーストラリアだが、警察を武器で威嚇する現行犯の容疑者は現場で容赦なく射殺されるケースが多い。地元クイーンズランド(QLD)州で警官の発砲によって容疑者が死亡したのは、今年に入り今回が5件目だ。東部エアリー・ビーチでは1日、刃物を持って警察に抵抗した男が射殺される事件が起きたばかり。
QLD州警察官組合のイアン・リーバーズ書記長はABCに対し「彼らは、銃を使用する以外に選択肢はなかった」と警官2人の正当性を主張した。銃の指導教官を務めた経験を持つリーバーズ氏は「映画やテレビ番組を見て、(容疑者の)左腕や右足を撃つことが効果的と信じる人もいるかもしれないが、現実にはそうはいかない。緊急時には、胸を狙うことも射撃訓練に含まれている」と指摘した。