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豪州も世界不況から逃れられない 財務相

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予算案の成長見通し下方修正へ

ジム・チャーマーズ連邦財務相

 高いインフレと相次ぐ中央銀行の利上げの影響で世界不況の足音が忍び寄る中、オーストラリア連邦政府は10月25日に発表する2022/23年度(22年7月1日〜23年6月30日)の連邦予算案で、経済成長の見通しを下方修正する見通しだ。英紙「ガーディアン」豪州版(電子版)が伝えている。

 米ワシントンで12〜13日に開かれたG20(主要20カ国)財務相・中央銀行総裁会議から帰国したジム・チャーマーズ連邦財務相は「いくつかの主要国と世界の経済見通しが厳しく悪化している。予算案は、景気後退に陥るリスクが一定程度あるとの見方を追認することになる」と指摘した。

 今年3月時点の連邦財務省の経済見通しでは、豪州の最大の貿易相手国である中国の成長率は22年4.75%、23年5.25%、24年5%としていた。予算案に盛り込む最新の見通しでは、22年3%、23年4.5%、24年4.5%に下方修正する。

 米国の成長率は22年3.5%、23年2.5%、24年2%から、22年1.75%、23年1%、24年1.75%に引き下げる。英国の23年の成長率は2%から0.25%に、ユーロ圏の23年の成長率は2.25%から0.5%とそれぞれ大幅に下振れする見通しだ。

 予算案に盛り込むオーストラリア国内の経済見通しは、現時点では明らかになっていない。現時点のオーストラリアの主な経済指標は好調だが、チャーマーズ財務相は楽観していない。

 同財務相は「雇用情勢と輸出の需要が好調で、オーストラリア国内の景気は良い。だが、私たちも世界経済のスローダウンの行く末から免れることはできない」と述べ、世界的不況の影響を受けてオーストラリアが景気後退に陥る可能性があることを示唆した。

インフラ整備に96億豪ドル支出

 なお、連邦政府は16日、22/23年度予算案の発表に先立ち、インフラ整備に96億豪ドルを拠出する計画を発表している。22億豪ドルを投じてメルボルン都市圏の外周鉄道を整備するほか、ブリスベンのブルース・ハイウェイ改修工事への追加支出(5億8,640万豪ドル)、シドニー近郊の高速鉄道を整備する「高速鉄道整備局」への支出(5億豪ドル)、シドニー西部の道路建設(3億豪ドル)などを予算案に盛り込む予定だ。

 キャサリン・キング連邦インフラ・交通・地域開発・地方政府相はインフラ整備について「世界的な(経済の)逆風の影響を和らげ、国内の産業を強化し、将来に向けて技能を向上させるための持続可能な道筋を描くものだ」と指摘した。

■ソース

Australia’s economic outlook to be downgraded in budget amid global ‘deterioration’(The Guardian Australia Edition)

$9.6 billion infrastructure boost for Australia(Media Release, The Hon Catherine King MP)

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