1990年以来32年ぶりの高水準
オーストラリアが過去30年間で経験したことのない高いインフレに見舞われている。豪統計局(ABS)26日に発表した消費者物価指数(CPI)統計よると、9月四半期のCPI(総合)の上昇率は前年同月比7.3%となった。3月期の5.1%、6月期の6.1%から加速した。
前年同期比7.3%の上昇率は、10%の財・サービス税(GST=日本の消費税に相当)とシドニー五輪開催の影響を受けた2000年の水準(6.1%上昇)を上回り、1990年以来32年ぶりの高水準を記録した。
前期比の上昇率は1.8%上昇と6月期と変わらず、3月期の2.1%上昇から減速した。
中央銀行の豪準備銀(RBA)が金融政策の目安として総合指数より重視する「トリム平均値」の上昇率は、前年同期比6.1%と6月期の4.9%から加速。3.7%を記録した3月期以降、RBAが定めるインフレ目標の2〜3%を突破している。
主に物価を押し上げた品目は、新築住宅(前期比3.7%上昇)、ガス(同10.9%上昇)、家具(同6.6%上昇)など。ABS物価部門のミシェル・マーカート氏は声明で「住宅建設部門の人手不足が人件費を押し上げ、新築住宅の価格上昇につながった。資材不足が続いていることも、コスト上昇の圧力になった」と指摘した。
ガス価格の上昇分が小売価格に反映されたことが、2桁の大幅上昇につながった。一方、電気料金は、前期比3.2%の上昇にとどまった。これは、西オーストラリア州とクイーンズランド州、首都特別地域の各政府が電気料金に補助金を導入したためで、補助金の影響を除くと電気料金の上昇率は同15.6%に跳ね上がる。
■ソース
CPI rose 1.8 per cent in the September 2022 quarter(Media Release, Australian Bureau of Statistics)