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インフレは予測より長く続く 豪準備銀

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2024年末3.2% 物価目標達成は25年に

シドニー市内マーティン・プレースにある豪準備銀本店(Photo: 守屋太郎)

 中央銀行の豪準備銀(RBA)は4日、高水準のインフレが当初の予測より長く続くとの見方を示した。この日発表した4半期の金融政策報告書の経済見通しで明らかにした。公共放送ABC(電子版)が伝えている。

 9月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は、前年同期比7.3%と32年ぶりの水準に達した。RBAはこれまで、2024年12月までにインフレ目標の2〜3%以内に落ち着くと想定していたが、最新の経済見通しでは「24年12月時点で3.2%」に修正した。インフレが目標内に収まるのは25年にずれ込むとしている。

 インフレと利上げの影響で個人消費が減速することが予想されるため、オーストラリアの景気は今後下り坂に向かうと見られている。RBAによると、実質GDP成長率は22年3.0%、23年1.5%、24年1.5%と減速する見通し。失業率はこれまで24年末時点4.0%としていたが、今回は4.3%に上方修正している。

 インフレの質も変化してきている。RBAは「インフレは当初、主に供給不足によって引き起こされてきたが、現在では非裁量品(生活に不可欠なモノやサービス)に広がってきている」と指摘した。

賃金インフレの悪循環に警戒

 RBAは従来、賃金上昇率が23年末までに4.0%に達すると予測していた。しかし、今回の経済見通しによると、4%到達は「24年末まで」と1年程度ずれ込む見通しだ。この通りになれば、物価上昇が賃金の伸びを上回る「実質賃金の低下」は、今後2年近くも続くことになる。

 一方、企業がコストを価格に転嫁する動きが加速すれば、インフレは高止まりし、折からの人手不足も手伝って、賃上げ圧力が高まってくる。

 名目で給料が増えるのは勤労者にとっては良いことだが、企業は人件費上昇分を価格に転嫁し、さらなる物価上昇をもたらす。変動が大きいエネルギーや食品と異なり、賃金は一度上がると下がりにくい。給料が増えれば増えるほど物価が上がり、インフレが慢性化するという「賃金インフレのスパイラル」に陥りかねない。

 こうした悪循環をRBAは特に警戒しており、「物価と賃金の上昇スパイラルを回避することが重要だ。企業の価格設定に対する姿勢と人件費の動向について引き続き注視していく」としている。

■ソース

Reserve Bank warns Australians to brace for tough years ahead to get inflation under control(ABC News)

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