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豪経済は2年後まで1%以下の低空飛行

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ナショナル・オーストラリア銀が下方修正

 ナショナル・オーストラリア銀(NAB)は9日、景気の見通しを大幅に下方修正し、今後2年間にわたって1%以下の低成長が続くとの悲観的な予測を公表した。11月の月次経済報告書の中で明らかにした。

 これによると、同国の実質国内総生産(GDP)の前年比伸び率は2022年に2.5%を記録した後、23年0.8%、24年0.9%と2年連続で1.0%を下回る見通し。長期トレンドの2.25〜2.50%を下回り、鈍化するという。前回10月の23年1.6%、24年1.7%との予測から大幅に下方修正している。

 NABが成長率の見通しを下方修正したのは、政策金利の上限が従来の予想より高いと見ているからだ。NABは先月まで中央銀行の豪準備銀(RBA)の利上げについて「11月と12月に0.25ポイントずつ引き上げて3.1%で打ち止め」としていた。しかし、今月の報告書では「今後3回の会合(12月、22年2月、22年3月)で0.25ポイントずつ引き上げて3.6%でピークアウトする」に修正した。

 利上げの理由であるインフレについて、NABは「インフレはこれまで考えられていたより高く、長く続く」としている。10月の報告書は消費者物価指数(CPI)の上昇率について「12月に7.5%でピークアウト、23年3.0%、24年2.4%」としていたが、今回は「12月に8.0%でピークアウト、23年4.3%、24年3.1%」に修正した。

 NABは現時点の景気について「(豪州)経済は今日まで高いインフレと急激な利上げにもかかわらず、耐性が非常に強かった」と指摘した。しかし、今後については「労働市場の需要や企業の景況感、消費などの指標において、景気鈍化の初期の兆候が現れている。住宅ローン金利の引き上げによる影響は、今後数カ月間のうちにより鮮明になるだろう」と分析している。

 RBAは4日発表した四半期の経済見通しで、今後の成長率について「23年1.5%(前回の1.75%から下方修正)、24年1.5%(同1.75%から下方修正)」と予測。連邦財務省は10月25日に発表した2022/23年度予算案の経済見通しで「23年2.0%、24年1.5%」としていた。NABの見通しはこれらを大幅に下回る悲観的なシナリオとなっている。

■ソース

The Forward View – Australia: November 2022, “Higher rates to slow growth to below 1% in 2023”, National Australia Bank Business Research and Survey

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