NSW州の新規感染者数、前週比59%増
オーストラリア東部ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州では、10日までの7日間の新型コロナウイルスの陽性者数が1万9,800人となり、その前の1週間(1万2,450人)と比べて59%増加した。NSW州の最高保健責任者(CHO)を務めるケリー・チャント博士は、公共放送ABC(電子版)に対し「コロナの第4波に突入した」と述べた。
1週間のコロナ関連の死者は22人、入院者は974人、集中治療室(ICU)に入っている人は32人だった。
チャント博士によると、今回の感染拡大はクリスマス前にピークを越える可能性があるという。同博士は「今回は非常に急なペースで感染者数が増加するが、同様に急激に減少すると期待している」とした上で、「感染予防策を徹底することが重要。ワクチンをまだ打っていない人はすぐに接種してほしい」と呼びかけた。
ドミニク・ペロテNSW州首相は「具合が悪ければ家にとどまり、そうでなければ自由に仕事や生活をしてほしい。これまで何カ月も言い続けてきた通り、私たちはウイルスと共存していかなければならない。どこかへ消えてしまうものではない」と語り、コロナとの共生を訴えた。
感染病の専門家であるシドニー大のアレクサンドラ・マーティニューク教授によると、ワクチン接種率が高く、既存の感染者数も多いことから、今回の感染拡大の波は、従来と比べて深刻なものにはならない見通し。新しい変異種は免疫を突破する感染力が強いものの、重篤化するリスクは低いという。
同教授は「社会全体に大打撃を与えるような感染にはならないだろうが、仕事を休んで家で静養しなければならない程度の感染者数は増えると見られる」と話している。
■ソース
NSW sees sharp spike in COVID-19 cases as fourth wave takes hold, health authorities warn(ABC News)