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冷え込んでいる豪中関係の行方は? 6年ぶりに首脳会談

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アルバニージー首相、対豪経済制裁や人権弾圧、豪州人拘束などで問題提起

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相(左)と中国の習近平国家主席

 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は15日、首脳20カ国(G20)首脳会議に出席するため訪問しているインドネシアのバリ島で、中国の習近平国家主席と首脳会談を行った。関係が冷え込んでいるオーストラリアと中国が2国間で正式な首脳会談を行ったのは、2016年以来6年ぶり。

 公共放送ABC(電子版)によると、アルバニージー首相は会談の冒頭、「私たち(オーストラリアと中国)には相違がある。独自の利益や価値観から手を引くことはない」と述べ、対立している中国に対して安易に妥協しない考えを強調。その一方で首相は「今日は建設的な対話ができることを楽しみにしている」と語り、今回の首脳会談が関係改善の一歩になることに期待感を示した。

 首相は新型コロナウイルスの感染拡大やその後の経済回復、気候変動、世界的な供給網の目詰まりを両国の共通の課題に挙げ、「国連憲章に則った法の支配による安定した国際秩序」に向けた協力を呼びかけた。

 また、会談後の記者会見で首相は、◇オーストラリア産品の禁輸、◇新疆ウイグル自治区への弾圧を含む中国の人権問題、◇オーストラリア国籍保持者2人がスパイ容疑で中国当局に拘束されていること、について習主席に対して問題を提起したことを明らかにした。

 中国が直ちに特定のオーストラリア産品に対する高関税を引き下げる可能性について、首相は時期尚早だとの認識を示した。

 一方、習主席は「過去数年間、中豪関係はいくつかの難局に直面したが、両国はアジア太平洋地域の重要な国であり、2国間関係を改善し、維持し、発展させていかなければならない」と述べた。アルバニージー首相がこれまで両国関係に「大人の態度で」臨むべきだと発言していたことを評価。「(豪中の国交が正常化した)1972年に両国首脳が台頭の立場で相互の尊重と利益に基づく関係を構築し、平和に共存していくことで合意した。その原則は今日もなお重要だ」として、豪中国交正常化50周年をきっかけに関係改善を図る考えを示した。

 オーストラリアは近年、中国の海洋進出や経済安保などの問題に懸念を表明、外国人の政治献金を禁止する法律を施行したり、中国の大手通信企業を次世代通信インフラ整備から排除したりするなど反発を強めていた。

 スコット・モリソン首相が2020年、新型コロナウイルスの起源を解明するための独立調査を中国に要求すると、中国政府は激しく反発。オーストラリア産の石炭や牛肉、大麦、ワイン、ロブスターなどを事実上禁輸とする経済制裁を実施。両国関係の悪化は決定的となっていた。

■ソース

Anthony Albanese to have one on one meeting with Xi Jinping at G20(ABC News)

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