コロナ前ピークと比べ3分の1の水準
オーストラリアの重要な輸出産業である外国人観光客市場。世界的な経済再開と出入国規制の解除を背景に、オーストラリアを訪れる観光客数は順調に回復してきているものの、コロナ禍前のピーク時と比べるとまだ3割強にとどまる。完全回復までには時間がかかりそうだ。
オーストラリア統計局が15日発表した出入国統計によると、9月に同国を訪れた短期渡航者数は前月比で6.7%増えて37万1,850人となった。
主要都市がロックダウン(都市封鎖)の最中にあった前年同月(4,430人)と比較すると83.4倍に拡大した。
しかし、史上最高だったコロナ禍前の2019年12月と比べると34.5%の水準。3年前の19年9月と比べると53.5%の水準にとどまっている。
外国人観光客市場の回復が遅れている要因の1つとしては、オーストラリアを訪れるインバウンド観光客の最大の供給国だった中国が「ゼロコロナ」政策を継続していることがあると見られる。
中国人の短期渡航者数は2019年3月に過去最高の20万6,280人を記録していたが、9月は7,480人にとどまっている。
■ソース
Overseas Arrivals and Departures, Australia, Australian Bureau of Statistics