オーストラリア雇用統計
オーストラリアの労働需給は依然としてひっ迫しており、失業率は歴史的な低水準を維持している。オーストラリア統計局(ABS)が17日発表した雇用統計によると、10月の失業率(季節調整値)は前月から0.1ポイント改善して3.4%となった。1974年8月以来48年ぶりの記録となった7月の水準を回復した。
就業者数は約3万2,000人増えて1,361万7,900人となり、労働参加率(生産年齢人口に占める労働力人口の割合)は66.5%で前月と変わらず、6月に記録した史上最高の66.7%をわずかに下回る水準を維持した。失業者数は2万1,000人減少した。
男女別の失業率は、男性が0.3ポイント改善して3.2%となり、1974年11月以来最低を記録した。女性は3.6%と前月と同じだった。
失業率の低下は通常、好ましいことだが、目下の高いインフレを抑制するという観点から見れば、必ずしも良いニュースとも言えない。中央銀行の豪準備銀(RBA)はより慎重な金融政策の舵取りを迫られそうだ。
高いインフレと利上げにもかかわらず、雇用情勢が順調に推移していることから、RBAが経済をクールダウンさせるためにいっそうの利上げを迫られる可能性が高まるためだ。労働需給のひっ迫が続けば賃金上昇の圧力が高まり、賃金インフレが物価上昇をさらに加速させる悪循環にもつながりかねない。
■ソース
Unemployment rate falls to 3.4%, Media Release, Australian Bureau of Statistics