賃金物価指数が前期比1.0%上昇 民間部門がけん引
オーストラリアで賃金の上昇が鮮明になってきた。歴史的な高インフレに引きずられた格好だ。9月期に前年同期比で7.3%の上昇と32年ぶりの高い伸びを記録した消費者物価指数(CPI)の動きに、賃金がどこまで追いつくかが注目される。
オーストラリア統計局(ABS)がこのほど発表した9月四半期の賃金物価指数(WPI=季節調整値)の上昇率は前期比1.0%となり、2012年3月四半期以来12年ぶりの高い伸びを記録した。
前年同期比では3.1%と、13年3月期以降で最も高い水準となっている。
民間部門のWPIは前期比1.2%、前年同期比3.4%。一方、公共部門は前期比0.6%、前年同期比2.4%にとどまった。
ABSの物価部門のマネジャーを務めるミシェル・マーカート氏は「民間部門における労働需給のひっ迫と、公正労働委員会のアウォード(労使裁定)に基づく賃金が過去10年以上の間で最も高い割合で引き上げられたことを背景に、平均賃金と民間部門の賃金上昇の比率がともに伸びた」と指摘した。
民間部門のWPI上昇率(前年同期比)は、コロナ禍初期の20年9月期(1.2%)の底から右肩上がりで伸びている。今年に入り3月期2.4%、6月期2.6%、9月期3.4%と伸びが加速している。
■ソース
Wages increase 1.0% in September quarter 2022, Media Release, Australian Bureau of Statistics