日豪OBのサッカー編集者、山内亮治氏に聞く
サッカーW杯で2006年ドイツ大会以来16年ぶりに決勝T進出を決めたオーストラリア代表。4日午前6時(オーストラリア東部標準時)キックオフのアルゼンチン戦を目前に控え、日豪プレス編集部で記者を務めた経験があり、サッカー専門メディアの編集者として東京で活動している山内亮治氏に試合の見どころを聞いた。
最強の攻撃陣をどう抑えるか
本紙:豪州代表が4大会ぶり2度目の決勝T進出を果たした。これまでのグループリーグでの戦いぶりをどう評価する?
山内:オーストラリアは今大会、グループリーグ初戦のフランス戦を4-1というほぼ“一方的”な内容で落としました。内容が内容だっただけに以降の精神的なダメージが心配されたのですが、2戦目のチュニジア戦と3戦目のデンマーク戦を無失点で抑えて連勝したことには「よくここまでチームが立ち直ったな」と率直に驚きでした。このV字回復は、日本の番狂わせと並んでカタール大会におけるビッグサプライズの1つと言って良いのではないでしょうか。
本紙:4日の8強進出をかけたアルゼンチン戦の見どころは?
山内:アルゼンチンのリオネル・メッシが今大会で最後のW杯になるので、彼がW杯“本番”とも言える決勝トーナメントでどのようなプレーを見せてくれるかは大きな見どころの1つです。メッシが手にしていないタイトルはW杯くらいですし、そこへ懸ける思いは相当なものがあるはず。ただ、アルゼンチンにはメッシ以外にも攻撃のタレントが多く、オーストラリア守備陣がどう抑え込むかは楽しみです。
DFスゥーター、GKライアンがカギに
本紙:注目される豪州代表の選手は?
山内:決勝トーナメント1回戦は、やはりアルゼンチンがボールを持って主導権を握る展開が多くなると予想されます。そうなると、ベスト8進出に向けて大切になるのがいかに耐え抜くかということ。DFのハリー・スゥーター選手はデンマーク戦で存在感を見せていましたし、GKのマシュー・ライアン選手も安定感があります。この2選手はカギとなりそうです。
本紙:勝機があるとすれば、ずばりポイントは?
山内:固い守備からのカウンターももちろんですが、オーストラリアがCKやFKのセットプレーからチャンスをうまく生かせれば勝てる可能性は高くなりそうです。