サーモンはキロ50豪ドル近くに エビは比較的買いやすい
オーストラリアで魚介類の需要が高まるクリスマスに向け、サーモンやカキなどの価格が過去30年で最も高い水準まで上昇している。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
南部タスマニア州で主に養殖されているアトランティック・サーモン(大西洋サケ)の小売価格は、通常1キロ当たり20〜30豪ドル程度だが、現時点では50豪ドルに迫る勢いだ。
スーパー「リッチーズIGA」のハリソン最高経営責任者(CEO)によると、タスマニア島周辺の海水温度が高いためサーモンの食欲が減退。成長が遅くなっていることから、供給量が縮小しているという。「通常の価格に戻るには、来年3月か4月くらいまでかかる」見通しだと予想している。
「財布に厳しいクリスマスになりそうだ。でもエビはそれほど高くない。(クリスマスに向けて)少しは値上がりしそうだが、1キロ当たり数ドルの上昇にとどまるだろう」(ハリソンCEO)
また、ビクトリア(VIC)州の魚介類卸業者「バララット・シーフード」によると、コロナ禍や世界的なサーモン需要の高まり、悪天候、燃料・飼料の高騰といった要因が重なり、サーモンの価格は過去1年間で25〜30%上昇したという。
クリスマスに向けて、カキの価格も高騰しそうだという。オーストラリア東海岸のカキの養殖場では、折からの洪水で川から淡水が流れ込み、塩分濃度が低下している。このため、カキの養殖に影響が出ていて「クリスマスには需給がひっ迫しそうだ」(同社)。
■ソース
Seafood prices skyrocket as producers battle weather, supply chain issues(ABC News)