日豪安保協力に強いコミットメント 中国の力による現状変更に反対
第10回日豪外務・防衛閣僚協議(2プラス2)が10日、東京で開かれた。オーストラリア側からペニー・ウォン外相とリチャード・マールズ副首相兼国防相、日本側から林芳正外相と浜田靖一防衛相が出席した。両国は中国による力による現状変更の試みに反対し、安保協力を強化することなどで一致した。
協議後に発表した共同声明で日豪両国は、日豪の「特別な戦略的パートナーシップ」の強化、民主主義と人権、自由貿易、ルールに基づく国際秩序への「揺るぎないコミットメント」を含む価値を共有することを確認。2国間協力の拡大・深化を進めることを明記した。
また、両国は「自由で開かれたインド太平洋」に向けた共通のビジョンを再確認した上で、日本、米国、オーストラリア、インドの枠組み(クアッド)の下で共通のビジョンを実現するとの意思を再確認した。
その上で、◇太平洋諸国や東南アジア諸国連合(ASEAN)への支援や協力、◇将来的な航空自衛隊F-35戦闘機の豪州でのローテーション(巡回)展開の検討、◇日米豪の軍事演習の強化、◇長距離誘導兵器やミサイル防衛に関する協力強化、◇サイバー・セキュリティー分野での協力強化、◇宇宙防衛分野での協力強化、などで合意した。
日豪両国は近年、従来の経済面での結び付きに加えて安全保障・防衛面での連携を深めている。南シナ海での軍事要塞化や台湾海峡の緊張激化、南太平洋諸国への影響力拡大などを進める中国をけん制する狙いがある。
日豪は今年1月、自衛隊と豪国防軍の共同運用を容易にする「日豪円滑化協定」に署名。10月にパースで行われた日豪首脳会談では2007年に締結された「安全保障協力に関する日豪共同宣言」を15年ぶりに改訂し、有事の日豪共同作戦の可能性に道を開いている。