インフレと利上げで新年の消費は減速へ
オーストラリア小売業協会(ARA)と調査会社ロイ・モーガンが実施した調査によると、クリスマス後の安売りセールが始まるボクシング・デー(12月26日)から新年1月15日までの売上高は、全国で235億6,100万豪ドル(約2兆1,000億円)と前年比で7.9%増加する見通しだ。公共放送ABC(電子版)が報じている。
これによると、品目別で最も伸び率が高いのは「外食費」(カフェ、レストラン、テイクアウト)で30.2%増となる見通し。1年前に新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が拡大していた反動で、外での食事の出費が大幅に増えると見られる。
地域別では、シドニーがある東部ニュー・サウス・ウェールズ州が9.5%増、メルボルンがある南部ビクトリア州が8.2%増と、全国平均を上回る好調な売上が予想されている。
ただ、新年の見通しは決して明るくないようだ。ARAによると、インフレと急激な利上げによる生活コストの上昇を背景に、安売りセールが一段落する1月後半以降、消費意欲は急速に落ち込みそうだという。加えて、燃料や光熱費、人件費、輸送費、賃料の高騰による運営コストの上昇が、店舗経営に重くのしかかってくるという。
一方、コモンウェルス銀が消費者1,000人を対象に行った別の調査によると、ボクシングデー1日の売上高は36億豪ドルに達する見通しだ。この日に買い物を計画している人の割合は42%と昨年の39%から3ポイント上昇した。しかし、1人当たりの消費額は482.2豪ドルと昨年の501.6豪ドルから減少すると見られる。
また、ボクシングデーの買い物を実店舗ではなくオンラインで行うと回答した人の割合は、全体の68%を占めたという。
■ソース
Post-Christmas Boxing Day sales forecast to reach record $23.5 billion(ABC News)