シドニー空港国内線ターミナルで身柄確保
大型バイクを乗り回す犯罪組織「バイキー」の一派「コマンチェロ」の首領が今年5月にシドニー西部で襲撃され、同行していた弟が射殺されたギャング同士の抗争事件で、地元ニューサウスウェールズ(NSW)州警察が容疑者の男を逮捕した。25日付の公共放送ABC(電子版)が伝えている。
事件を捜査していた州警察は24日午後10時30分ごろ、シドニー空港の国内線ターミナル内でアダム・ガナイム容疑者(22歳)の身柄を拘束した。同容疑者は最寄りのマスコット警察署に連行され、「起訴されうる重大な犯罪を隠蔽した罪」で起訴された。
事件が起きたのは、シドニー西郊オーバーンにあるフィットネス・クラブ。5月10日午後8時頃、コマンチェロの地元組織のリーダーであるタレク・ザヘド容疑者(41歳=2014年に同バンクスタウンで起きた別の殺人事件で、8月に起訴)と実弟のオマール・ザヘドさん(39歳)が銃撃され、オマールさんは現場で死亡。ザヘド容疑者は頭部を含む身体に10発の銃弾を受けたが一命を取りとめた。
シドニー周辺では、様々なバックグラウンドを持つ犯罪組織が活動している。シドニー発祥の「コマンチェロ」や米国に本部がある「ヘルス・エンジェルズ」などのバイキー、サーファー集団の「ブラ・ボーイズ」などが有名。レバノン系やベトナム系などの地下組織も暗躍しており、主に違法薬物の売買で稼いでいるとされる。このところ対立するギャング同士の殺人事件が頻発していることから、この事件を機にNSW州警察は特別捜査班を増強して捜査を強化していた。