日、米、台湾などは水際対策強化
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は29日、コロナ感染が爆発的に拡大している中国からの入国者に対して、現時点では水際対策を強化するつもりはないとの考えを示した。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
オーストラリアは現在、海外からの入国者に対して陰性証明の提出や入国時検査などの水際対策を廃止している。アルバニージー首相は「現時点では(オーストラリア外務省の)渡航情報に変更はないが、状況を引き続き見ていく。世界中とオーストラリアへのコロナ感染の影響も継続的に観測していく」と述べ、今後の状況次第では、中国からの入国者に対する水際対策を再開する可能性を示唆した。
コロナ規制の解除を進めている中国政府は海外渡航規制を緩和し、来年1月8日以降、パスポートとビザの申請受付を再開する方針だ。
ところが、中国国内で感染が拡大しているため、米国やインド、イタリア、台湾など主要国は中国本土からの入国者に対して水際対策の強化を発表している。日本政府も12月30日以降、香港とマカオを除く中国本土からの入国者・帰国者に入国時検査を実施する。
オーストラリアと中国の外交関係は近年、悪化していたが、ペニー・ウォン外相が12月、閣僚としては3年ぶりに中国を訪問するなど関係改善の兆しが出ている。