ラニーニャ現象で記録的低温続く
南半球の真夏を迎えたオーストラリア東部、シドニー気象観測所では18日午後2時すぎ、約11カ月ぶりに気温が摂氏30度を超えた。シドニーではラニーニャ現象による記録的な低温が続いており、同観測所では昨年2月21日を最後に30度以上に達したことが一度もなかった。30度未満の連続記録は330日でようやく途切れた。18日の公共放送ABC(電子版)が伝えている。
観測史上、同観測所で30度未満の気温が最も長く続いたのは、1882年〜1883年に記録した339日間だった。今回の330日はこれに続く歴代2位の記録となっている。
この日は、内陸部を覆っていた熱い大気が東寄りの気流に乗り、シドニーがある沿岸部に向けて吹いたことで朝から気温が上昇し、正午前には28.8度に達していた。涼しい海風が強まったため、気温はいったん低下したものの、その後再び上昇に転じて約11カ月ぶりに30度を上回り、140年ぶりの最長記録が途絶えた。
ただ、18日夜には涼しい南寄りの風(南半球のオーストラリアでは南風が冷たく、北風が暖かい)に変わり、予報によると、今週後半の最高気温は20度台前半から25度付近にとどまる見通しだ。
記録的な低温は、異例の3シーズン連続となったラニーニャ現象によるところが大きいと見られている。ラニーニャ発生時は、オーストラリア東部は大雨と低温に見舞われ、洪水災害が頻発する傾向が強い。逆に、エルニーニョ発生時は、乾燥と高温によって大規模な干ばつや山火事の被害に襲われるケースが多い。
■ソース
Sydney’s streak of days under 30 degrees Celsius finally ends at Observatory Hill(ABC News)