州警察は「正当防衛」と主張
オーストラリア東部ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州の警察署で19日、拳銃で武装した男(48歳)が警官に射殺される事件が起きた。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
事件が起きたのは、NSW州北東部のクイーンズランド州境に近い山岳地帯にある小さな町、テンターフィールドの警察署。男は署内で警官に銃を向けたため、警官が発砲。救急隊が駆けつけたが、男は現場で死亡が確認されたという。
州警察のスティーブ・エギントン地域司令官代理は「誰かが銃火器を向けてきた場合は、警官は自分を防衛する必要がある」と述べ、正当防衛だったとの見解を示した。事件は、州警察の殺人事件班の捜査を経て、州の独立機関である「法執行調査委員会」(LECC)が警官の発砲が妥当であったかどうかを審査する。
射殺された男の素性は報じられていないが、ABCによると、男は事件の直前、「ウェルフェア・チェック」(第3者の依頼によって警官が行う身元確認)を受けていたとされる。
テンターフィールドのブロンウィン・ペトリー市長は「精神疾患の治療サービスが非常に不足している。(遠隔地であるため診療を受けるには)遠くまで足を運ばなくてはいけない。残念なことに、地元の公共医療サービスが大幅に縮小されている」と述べた。男は何らかの病気を患っていた可能性がある。