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旅行や建築、燃料、外食などが物価押し上げる

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経済再開や供給制約、エネルギー高騰が複合要因に

オーストラリアの消費者物価指数(CPI)の長期的推移(水色はCPI総合、濃紺はトリム中央値)(出典:Australian Bureau of Statistics)

 前年同期比で7.8%の上昇と1990年以来の高水準となったオーストラリアの消費者物価。33年ぶりの激しい物価上昇の背景には、コロナ禍からの経済再開のよる旅行・外食需要の急拡大、渡航規制中の移民や外国人受け入れ停止に伴う人件費上昇、地球規模のサプライチェーンの混乱による建築資材の高騰、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界的なエネルギー・資源価格の上昇など、様々な複合要因が複雑に絡み合っている。

 オーストラリア統計局(ABS)によると、年間で物価上昇が激しかった品目は、「国内旅行・宿泊」(19.8%)、「新築住宅」(17.8%)、「自動車燃料」(13.2%)などだった。

 ABSの物価統計部門の責任者を務めるミシェル・マーカート氏は声明で「新築住宅や自動車燃料の価格が高止まりしている上に、旅費や外食費の上昇が加速した」と述べた。

 また、前期比で上昇が著しかったのは、「国内旅行・宿泊」(13.3%)、「電気料金」(8.6%)、「海外旅行・宿泊」(7.6%)など。マーカート氏は「特にクリスマス休暇の需要が高く、国内旅行費用と海外航空券の価格が上昇した」と指摘した。西オーストラリア州政府が家庭への電気料金の補助金を停止したことも物価上昇を支えた。

 食費も引き続き上昇している。飲食店が食材や人件費の上昇を料金に転嫁したため、「外食・テイクアウト」は前期比で2.1%上昇した。一方、昨年前半の洪水などから高騰していた「野菜」は、天候の改善により10.2%下落した。

 なお、ABSは昨年から四半期毎のCPIとは別に、月間のCPI統計を公表している。これによると、12月のCPI上昇率は前年同月比で8.4%となり、10月(6.9%)、11月(7.3%)から加速した。

■ソース
Consumer Price Index, Australia(Australian Bureau of Statistics)

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