4大大会最多優勝タイかけ、今夜男子シングルス決勝
テニス4大大会の1つ、全豪オープンに出場中のノバク・ジョコビッチ(セルビア=世界ランキング5位)は28日、父のスルジャン・ジョコビッチ氏がウクライナに侵攻したロシアを礼賛したと取られかねない動画が拡散した問題で、「間違った解釈」だと父を擁護した。公共放送ABC(電子版)が伝えた。
動画が撮影されたのは、25日夜の全豪オープン会場のメルボルン・パーク。ジョコビッチが準々決勝でアンドレー・ルブレフ(ロシア)に勝利した直後、ウクライナ侵攻軍のシンボル「Z」のロゴが入ったTシャツを来た男など数人のグループがロシア国旗を掲げている横に、スルジャン氏が映っている。この時、スルジャン氏はセルビア語で「万歳」と述べたとされる。
この問題についてジョコビッチは、父が「万歳」と言ったことは認めた上で、「残念なことに、メディアの一部が間違った解釈をして伝えた。問題がエスカレートしたのは申し訳ないが、戦争を支援するつもりが絶対にないことは信じてほしい。父はセルビア国旗を掲げるたくさんの人の中を歩いていた。セルビア出身の人だと思っていっしょに撮影して、立ち去っただけなんだ」と語った。
動画はユーチューブなどで広く拡散。ウクライナの駐豪大使がジョコビッチの出場停止を求めるなど、波紋を投げかけていた。
スルジャン氏は声明で「私はノバクの勝利を祝福するためにファンといっしょに外を歩いている時に動画に映り込んだだけで、騒動に巻き込まれるつもりはなかった。私の家族は戦争の恐怖の中を生きてきた。私は平和だけを望んでいる」と述べていた。だが、混乱を避けるため27日の準決勝(ジョコビッチが勝利)の会場での観戦は見送っていた。
オーストラリア・テニス協会は、全豪の第1試合でロシア国旗が掲げられたことが問題となったため、ロシアとベラルーシの国旗を会場内に持ち込むことを禁止していた。
ジョコビッチは今夜(現地時間29日午後7時30分試合開始)、男子シングルス決勝でステファノス・チチパス(ギリシャ=世界ランキング4位)と対戦する。勝利すれば、全豪オープン優勝は10回目。自身が持つ全豪最多優勝記録を更新し、ラファエル・ナダル(スペイン)が持つ4大大会優勝回数の最多記録「22」に並ぶ。
■ソース
Novak Djokovic claims Australian Open incident involving his father was misinterpreted(ABC News)