前年同月比7.5%増 オーストラリア統計局
2022年12月のオーストラリアの小売売上高(季節調整値)は、344億7,230万豪ドルと前月比で3.9%減少した。前年同月比では7.5%増加した。季節要因による不連続性を除いた「季節調整値」が前月比でマイナスとなるのは、21年12月以来1年ぶり。豪統計局(ABS)が31日、発表した。
消費者が財布の紐を引き締める中で、11月のブラックフライデーの安売りセールが好調だったため、クリスマスの需要を先食いした可能性があるようだ。
ABS小売統計部門の責任者を務めるベン・ドーバー氏は「12月の(季節調整値の)大幅な落ち込みは、(インフレによる)生活コストの上昇の影響で、消費が鈍化していることを示唆している。小売業界の報告によると、ブラックフライデーの安売りを利用して11月にクリスマスの買い物を行う消費者が増えているようだ」と指摘した。
部門別で見ても、11月のブラックフライデー商戦で好調だった項目が12月に軒並み落ち込んだ。「百貨店」は季節調整値で前月比14.3%減、「服飾・靴・アクセサリー」は13.1%減、「家庭用品」は7.8%減となった。
一方、「食品小売」は前月比0.3%の微増、「外食・テイクアウト」は前月とほぼ同じだった。
12月は毎年、クリスマス商戦のため、季節要因を考慮しない小売売上高の「現数値」は大幅に伸びる傾向が強い。現数値で見ると、22年12月は前月比16.3%増だった。もっとも、「平年の12月の数字より現数値の伸びが小さかったため、季節調整値の大幅な減少につながった」(ドーバー氏)という。