インフレ率に合わせ今日から税率3.7%引き上げ
オーストラリア国税局(ATO)は2月1日、インフレ率に応じて酒税を改訂した。これにより、パブ(英国式酒場)でサーバーから注がれる樽入り生ビールの税率は、純アルコール換算で1リットル当たり40.72豪ドルと3.7%引き上げられた。
同国主要都市のパブでの標準的な国産生ビールの価格は、1月末時点で「スクーナー」(425ミリリットル)と呼ばれるの標準的なグラス1杯当たりおおむね8〜9豪ドル(約740〜830円)だったが、近いうちに「1杯当たり12豪ドル(約1,100円)程度まで上がる可能性がある」(地元メディア)との見方も出ている。
酒税率の計算方法は複雑で、増税分が小売価格にどの程度転嫁されるかは一概に言えないが、これまでの例から、値上げの動きが進むことは間違いなさそうだ。
パブの生ビールが贅沢品に
国税局は毎年2月と8月の2回、直近の消費者物価指数(CPI)に連動して酒税を改訂している。前回の22年8月には4.0%引き上げており、過去1年間で8%近く上昇したことになる。
オーストラリアはコロナ禍からの経済再開やウクライナ戦争の影響で激しい物価高に見舞われている。豪統計局によると直近22年12月期(9月〜12月)のCPI上昇率は前年同期比7.8%と33年ぶりの高水準を記録している。
南半球のオーストラリアは今が夏真っ盛り。暑く乾燥した気候の下で喉を潤すのに、キンキンに冷えた生ビールに勝るものはないが、贅沢品となる日は近いのかもしれない。
■ソース
Excise duty rates for alcohol(オーストラリア国税局)
Aussies set for $12 schooners as beer tax to jump(9 NEWS)