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遠隔地のオーストラリア先住民の寿命、非先住民と比べ14年短い

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「空飛ぶ医師団」報告書で明らかに

オーストラリアのアウトバック(遠隔地)の空港に着陸するロイヤル・フライング・ドクター・サービス(RFDA)の航空機(Photo: Royal Flying Doctor Service)

 移動できる範囲内に医師や診療所がないオーストラリアの辺境地帯で、航空機による緊急医療サービスを提供している「王立飛行医師サービス」(ロイヤル・フライング・ドクター・サービス=RFDA)はこのほど、遠隔地に住むオーストラリア人の健康状態に関する報告書を発表した。この中で、遠隔地に住む先住民「アボリジニ・トレス海峡島しょ民」の寿命が、非先住民と比較して著しく短いことが改めて浮き彫りになった。

 RFDAは2015年〜17年の先住民の死亡者数や国勢調査の結果を元に、人口密度に応じて5つのエリア(大都市圏、地方内縁部、地方外縁部、遠隔地、極度な遠隔地)に分け、0歳児の平均余命(今生まれた子どもが死去するまでの平均年数)を集計。先住民と非先住民を性別で比較した。

 これによると、「大都市圏」の平均余命は、男性が非先住民80.7年、先住民72.1年とその差は8.6年。女性は非先住民83.7年、先住民76.5年と差は7.2年だった。

 一方、「遠隔地・極度な遠隔地」の平均余命は、男性が非先住民79.7年、先住民65.9年とその差は13.8年に達した。女性は非先住民83.6年、先住民69.6年と差は14.0年となった。

 非先住民の平均余命は男性、女性ともに大都市圏と遠隔地でほとんど変わらない。これに対して、遠隔地の先住民は都市部と比較して大幅に短命となっている。

 オーストラリアの「遠隔地」に住む人口は29万7,990人、「極度な遠隔地」の人口は19万5,396人。合計で全人口の1.9%にすぎないが、「遠隔地・極度の遠隔地」に住む先住民の割合は31.5%と全人口に占める割合(3.5%)と比較して非常に高い。

 報告書によると、「遠隔地・極度の遠隔地」の人口のうち4万4,930人が、居住地から車で片道60分以内のエリアで医療サービスを受けられないという。先住民社会の健康増進策とともに、遠隔地の医師派遣や医療施設の充実も急務となっている。

■ソース

Best for the Bush – Rural and Remote Health Base Line 2022(Royal Flying Doctors Service)

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