豪中貿易相が輸入規制の見直し議論
中国が停止していたオーストラリア産石炭の輸入が、約2年ぶりに部分的に再開された。オーストラリア産石炭7万2,000トンを積んだ運搬船が8日、中国南部・広東省の湛江(たんこう)市の港に接岸した。9日付の公共放送ABC(電子版)が報じている。
石炭輸入再開に先立ち、オーストラリアのドン・ファーレル連邦貿易相と中国商務部の王文濤部長が6日、オンラインで貿易相会談を開き、輸入規制の見直しについて議論していた。
中国政府系メディア「環球時報」によると、政府系鉄鋼大手「宝鋼集団」がオーストラリア産石炭の購入を再開したという。
豪中関係は2022年以降、決定的に悪化した。当時のスコット・モリソン首相が新型コロナウイルスの発生源をめぐる独立調査を中国政府に要求したことことに中国政府が猛反発したためだ。中国はオーストラリア産の石炭や大麦、ワイン、ロブスターなど8品目について、関税を大幅に引き上げたり、通関を停止したりして事実上、禁輸としていた。
石炭の輸入再開を機に、ワインなど他のオーストラリア産品の禁輸解除も進むのではないかと期待が高まっている。
ファーレル貿易相は、近く訪中して王部長と対面で会談を行い、豪中貿易の正常化を改めて要求する意向だ。同貿易相は「中国が関係を安定化させたいのであれば、『戦狼外交』や経済的な弾圧をやめ、不公平な経済制裁を解除するべきだ」と述べた。