諜報機関トップが議会で証言
連邦内務省所管の諜報機関であるオーストラリア保安情報機構(ASIO=エージオ)のマイク・バージェス長官は13日、連邦上院の法務・憲法問題委員会で証言した。この中でバージェス長官は、中国のものと疑われるスパイ気球がオーストラリアに飛んできている可能性について、否定的な見解を示した。公共放送ABC(電子版)が伝えた。
バージェス長官は冒頭陳述で「オーストラリアは、様々な外国の敵対勢力の諜報機関による、洗練された継続的なスパイ活動や妨害行為の標的になっている」と指摘した。具体的な国名については言及を避けた。
その後の質疑応答で同長官はスパイ気球について、詳細は明らかにできない断った上で、オーストラリアへの諜報活動で「原則的な手段にはなっていない」と証言。気球はオーストラリアには飛んできていないとの認識を示した。
スパイ気球は、偏西風に乗って西から東へ移動している。このため、中国の南方に位置するオーストラリア上空に飛ばすのは難しいと見られている。
報道によると、米軍はこれまでに北米上空で4つの気球を撃墜している。このうち少なくとも1つについて中国の偵察用と断定している。