豊田章男社長の愛称「モリゾウ」冠した限定車も
トヨタ自動車は3月、小型乗用車「カローラ」の走行性能を飛躍的に高めたスポーツカー「GRカローラ」をオーストラリア市場に投入する。現地法人のトヨタ・オーストラリアが14日、発表した。
GRカローラは、外観はほぼカローラの5ドアハッチバック車のままだが、レース車並みのハイスペックを誇る「羊の皮をかぶった狼」だ。インタークーラーターボ付きの1.6リットル直列3気筒エンジンから221キロワット(300.5馬力)の最大出力と370ニュートンメートルの最大トルクを発生し、4輪を駆動する。高性能エンジンをはじめ3本出しの排気管、6速のマニュアルトランスミッションなどの内部は、カローラとは別物の専用設計となっている。
グレードは「GTS」(6万2,300豪ドルから)と、豊田章男・取締役社長兼マスタードライバーの愛称を冠した「モリゾウ・エディション」(7万7,800豪ドルから)の2種類。
オーストラリア向けのGTSは1年目700台限定。3月から販売を開始する計画だ。一方、後部座席を省いて軽量化し、最大トルクを引き上げて加速性能を向上させるなど、スポーツ走行により特化したモリゾウ・エディションは25台のみ輸入。納品は数カ月後を予定している。
トヨタ・オーストラリアのショーン・ハンリー副社長は次のように話している。
「カローラは1967年以来、オーストラリアで150万台以上販売され、過去数十年間にわたり、オーストラリアで最も愛されてきた自動車の1つです。モータースポーツは長年、カローラのDNAに刻み込まれてきました。それだけに、長い伝統を誇るカローラの本格的なスポーツカー・バージョンをお届けできることに大変ワクワクしています」