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「借り過ぎ地獄」に歯止めを オーストラリアで「バイナウ・ペイレイター」規制強化へ

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業界内部からも賛成の声 政府が意見書公開

オーストラリアの後払いサービス最大手「アフターペイ」の取り扱い店舗(Photo: 守屋太郎)

 利子負担なしに後払いや分割払いができる新手の金融サービス「バイナウ・ペイレイター」(今買って後で払う=BNPL)。オーストラリアでは利用者が急増しているが、与信力の低い消費者でも気軽に利用できることから、借り過ぎのリスクも高まっている。このため、連邦政府は法改正による規制強化を目指しており、16日には金融機関やBNPL企業、業界団体など68社・機関から集めた意見書を公表した。ロイター通信が伝えた。

 政府に寄せられた意見書では、業界内部からもBNPL規制強化に賛同する声が出た。米決済サービス大手「ペイパル」のオーストラリア本部長を務めるアンドリュー・トゥーン氏は意見書で「BNPL業界を消費者信用保護法による適切な規制の枠組みに組み込むことは、消費者保護をいっそう拡大する政府の目的を実現することにつながるだろう」と指摘した。

 また、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は「同様の特徴と目的を持つ信用商品は、同じ方法で扱われるべきだ」として、政府の法改正の方針を支持した。

 一方、オーストラリア最大のBNPL企業「アフターペイ」は意見書で「現状でも消費者への打撃を防止する能力は示されている」と述べ、業界の自主規制が効果を発揮していると主張した。アフターペイは昨年、ツイッター創設者として知られる米起業家、ジャック・ドーシー氏の米決済サービス大手「ブロック」(旧スクエア)に買収されている。

4人に1人がBNPL利用

 コロナ禍のオンライン・ショッピング普及を背景に、BNPLは近年、オーストラリアで急速に利用者を伸ばしている。連邦財務省によると、国内のBNPLの有効な口座数は約700万件と総人口の約4分の1に達した。

 従来のクレジット・カードやローン商品と異なり、BNPLは消費者から利子を徴収せず、参画する店舗や企業が支払う手数料のみで儲ける仕組みだ。現行の消費者信用保護法では規制対象外となっており、BNPL業者は金融貸付業免許「オーストラリア・クレジット・ライセンス」を取得する必要がない。

 このため、政府は消費者保護の観点から同法を改正し、BNPL業者に免許取得を義務付け、既存の金融機関と同様の枠組みで規制する方針だ。

 政府は「競争、イノベーション(技術革新)、消費者保護の最適なバランスを図る必要がある」としている。今回公表された意見書の内容を踏まえ、今年中に法改正と施行を目指す。

■ソース
PayPal tells Australia it supports buy-now-pay-later regulation(Reuters)

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