賃金上昇ペース加速も実質賃金の下落続く
オーストラリア統計局(ABS)によると、2022年12月期(10月〜12月)の賃金物価指数(WPI=季節調整済み)の上昇率は前年同期比3.3%となり、6月期の2.6%、9月期の3.2%から加速した。前期比の上昇率は0.8%(前期は1.1%)だった。
ABSの物価部門の責任者を務めるミシェル・マーカート氏は声明で「(WPIの)前期比上昇率は、過去10年間の12月期で最も高かった。前年同期比の上昇率も12年12月期以来10年ぶりの高い水準を記録した」と述べ、賃金が力強く上昇しているとの見方を示した。
12月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同期比7.8%と1990年以来33年ぶりの高水準を記録している。物価上昇の影響を引いた「実質賃金」の伸びは、マイナス3.5%と前期のマイナス3.1%から下げ幅を拡大した。
賃金上昇はインフレに遅行して起こるとされる。物価上昇に引きずられる形で、賃上げのペースは加速しているものの、まだ激しいインフレに追いついていない。私たちが会社からもらっている給料は引き続き目減りしている。