顧客プログラム提供会社にサイバー攻撃
オーストラリアの大手家電量販店チェーン「ザ・グッド・ガイズ」の個人情報が流出していたことが23日、明らかになった。同社にロイヤルティー・プログラム(ポイント・サービス)のシステムを提供していたオーストラリアの情報技術(IT)企業「マイリワーズ」がサイバー攻撃を受け、最大で約150万人分の情報が盗まれた可能性があるという。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
ザ・グッド・ガイズによると、マイリワーズが集めていたプログラム利用者の氏名、住所、電話番号、Eメールアドレスが盗まれた可能性がある。生年月日が流出したケースもあるという。運転免許証やパスポート、クレジットカードの情報は含まれていないとしている。
データの流出は2021年8月に発生したと見られている。ザ・グッド・ガイズはマイリワーズのサービス利用を以前に終了しており、紐付けられたアカウントは閉鎖されている。
ザ・グッド・ガイズのビアグ・カパソ取締役社長は「プライバシーとデータの安全の問題をきわめて深刻にとらえている。過去のサービス提供会社であるマイリワーズから情報が盗まれたのは非常に残念だ」と述べた。
マイリワーズの広報担当者は「データ流出によって深刻な被害は出ていないと考えているが、不正なアクセスがあったことを懸念しており、情報漏えいによる影響を最小限に抑えるべく、連邦政府の規制当局と連携しながら対処している」と語った。
オーストラリアでは、大手企業のシステムから個人情報が流出する事件が、昨年後半以降に相次いで発覚している。通信大手「オプタス」や民間健康保険大手「メディバンク」などがサイバー攻撃を受け、多数の顧客が被害に遭っている。
ザ・グッド・ガイズは、情報通信機器やオーディオ・ビジュアル機器、白物家電、調理家電などを扱う大型量販店チェーン。同国とニュージーランドの大型ショッピングセンターなどに106店舗(22年6月時点)を展開している。オーストラリアの家電小売大手「JBハイファイ」の傘下にある。