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今週0.25ポイント利上げの可能性75% オーストラリア中銀、10会合連続で政策金利引き上げか

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金利上限の予想は「5月に4.10%」が主流に

インフレ対策と利上げによる弊害の狭間で、金融政策の難しい舵取りを強いられている豪準備銀行(RBA)のフィリップ・ロウ総裁(Photo: Reserve Bank of Australia)

 オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は今週7日に開く月次の理事会で、10会合連続で政策金利を引き上げる可能性が高まっている。市場参加者は2月に続いて0.25ポイントの引き上げを織り込んでおり、RBAは同金利を3.60%とする公算が高い。

 オーストラリア証券取引所(ASX)が金利先物価格を下に算出している「RBA金利指標」(3月3日取引終了時点)によると、「3.60%に利上げ」の確率は75%、「3.35%のまま据え置き」は25%となっている。

 RBAは22年5月、実質ゼロ金利(0.10%)政策を解除して政策金利を0.25ポイント引き上げ、金融引き締めに転じた。以降、9会合連続で利上げを実施している。直近2月7日に開いた今年1回目の会合では同金利を0.25ポイント引き上げて3.35%としていた。

 オーストラリア統計局(ABS)が1日発表した月次の物価統計によると、1月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比7.4%と22年12月の同8.4%から減速し、インフレに頭打ちの兆しも出ている。しかし、依然として約30年ぶりの高い水準で物価上昇が続いているため、RBAは今月も金融引き締めの手綱を緩めないというのが、市場のコンセンサスとなっている。

綱渡りの金融政策運営が続く

 ただ、急激な利上げに連動して住宅ローン金利が上昇していることから、毎月のローン支払い負担が増えるとともに、住宅市況の冷え込みによる資産価格の大幅な下落、家賃の高騰など国民生活に弊害をもたらしている。金融政策のアクセルとブレーキを踏み誤れば、景気を必要以上に冷え込ませかねず、インフレ抑制と景気後退の回避を同時に目指す「ソフトランディング」(景気の軟着陸)は遠のく。

 折からの激しいインフレに加え、ローン支払い額や家賃の負担増は家計を圧迫しており、生活コスト上昇は社会問題化している。インフレ退治を優先して利上げを続けるRBAや、空前の利益を計上しているにもかかわらずRBAに追従して金利を引き上げる大手銀行に対しては、世間の風当たりも強まっている。

 今後の焦点は、RBAがいつまで、どこまで利上げを継続するかだ。オーストラリアの4大銀行のうち、ウェストパック銀、ANZ銀、ナショナル・オーストラリア銀(NAB)の3行のエコノミストは、利上げ打ち止めの時期と「ターミナル・レート」(到達点、上限)を「5月に4.10%」と予測。コモンウェルス銀は「4月に3.85%」と想定している。

■ソース
RBA Rate Indicator – March 2023(Australian Stock Exchange)

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