最高気温が平年を上回る確率、国土の大半で「8割以上」
オーストラリアに大雨と低温をもたらすラニーニャ現象が終息しつつあるため、暑く乾燥した天候が再来する可能性が高まっている。ラニーニャはこれまで異例の3シーズン連続で続き、オーストラリア東部を中心に大規模な洪水や記録的な低温に見舞われてきたが、今後は干ばつや山火事に再び悩まされることになるかもしれない。
オーストラリア気象局(BOM)がこのほど発表した4月〜6月の3カ月間の長期予報によると、雨量の目安となる「降水量が平年の中央値を下回る確率」は、全豪のほとんどの地域で「60%から80%以上」となった。また、気温の指標となる「最高気温が平年の中央値を上回る確率」は、大陸北部の内陸部を除くほとんどの地域で「80%以上」だった。
BOMによると、南半球の秋に向かってラニーニャが終息に近づき、「エルニーニョ・南方振動」(ENSO=太平洋上の大気や海水温が変動する地球規模の自然現象)が中立(ラニーニャでもエルニーニョでもない状態)の状態に向かっているという。
BOMのアンドリュー・ワトキンス博士は声明で「オーストラリアの主要な気候指標は今後数カ月間、緩和から中立の方向を示しています。過去数十年間のデータによると、気候指標がより中立になれば、オーストラリア南部の秋の降水量は平年より少なくなる傾向があります」と述べた。
■ソース
Long-range forecast overview(Bureau of Meteorology, Commonwealth of Australia)
A dry autumn forecast for most of Australia(Bureau of Meteorology, Commonwealth of Australia)