与党労働党が連邦下院に法案提出
オーストラリアの連邦与党労働党は30日、憲法に先住民の地位を明文化する「2023年連邦憲法改正法案」を連邦下院に上程した。法案が成立すれば、改憲の是非を問う国民投票を今年後半に実施する。
法案では、8章128条からなる現行オーストラリア憲法の末尾に、第9章「アボリジニおよびトレス海峡島しょ民の認識」を追加する。新設する第9章第129条に、◇先住民が「最初のオーストラリア人」(the First People of Australia)であること、◇先住民問題を国政に反映させる機関「先住民の声」を設けること、を明記する。
改憲案は、22年5月の連邦選挙で9年ぶりに政権を奪回した中道左派・労働党が公約した。温室効果ガス排出削減を拡大する気候変動対策の強化とともに、新政権の改革の大きな柱の1つとなっている。
法案は今後、議会の委員会で審議が行われる。与党が過半数を制している下院に加え、過半数を満たない上院でもキャスティング・ボートを握る野党の環境保護政党「グリーンズ」(緑の党)や無所属議員が賛成しており、成立する可能性が高い。
投票日は、法案成立後に首相が決めるが、公共放送ABC(電子版)によると、今年10月〜12月の土曜日に行われる見通しだという。規定により、政府は改憲法案の成立から2〜6カ月以内に国民投票を実施しなければならない。議会日程から逆算すると、仮に10月に投票を行うとすれば、7月末までに法案を両院で可決、成立させる必要がある。
■ソース
Bill to trigger Voice referendum introduced to parliament(ABC News)