安保協力の強化で一致
ニュージーランド(NZ)を訪問したオーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は6日、NZのアンドリュー・リトル国防相と会談を行い、両国の国防面での協力強化で一致した。両国防相は会談後、米英豪の安保枠組み「オーカス」(AUKUS)への将来的なNZの参加について否定しなかった。
リトル国防相はオーカスについて「オーストラリアが米国と英国との間で取り決めたコミットメントであり、私たちはそのことについて特に話し合っていない」と断った上で、「NZの国防政策の改訂を待ち、未来への影響を考えなければならない」と参加の可能性に含みを残した。
マールズ国防相は「オーカスは戦闘能力と技術を共有するものであり、同盟関係ではない。将来的な(オーカスの)拡大については、オープンに考えている。オーカスの『第2の柱』(オーストラリアへの原潜配備を指す『第1の柱』以外の分野の技術協力)については、前向きに進める必要があるだろう」と語った。
また、中国が地域で存在感を高める中での2国間関係について、マールズ国防相は「両国を取り巻く戦略的な環境について話し合った。オーストラリアにとって、この地球上でニュージーランドとの協力関係ほど力強いものはない。今ほど、両国の協力の深化が重要な時はない」と指摘した。
オーストラリアとニュージーランド、米国は1951年、3カ国間の軍事同盟「アンザス(ANZUS)条約」を締結している。両国はアングロサクソン陣営5カ国で機密情報を共有する枠組み「ファイブアイズ」の一員でもある。