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最大級のサイクロン上陸も負傷者ゼロ 大陸の反対側では恵みの雨に期待

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鉄鉱石輸出港は14日から操業再開

サイクロン「イルザ」上陸直後の天気図。今後、イルザから変わった低気圧と、南極海の低気圧が並行して東進。インド洋上の高気圧から湿った南西風が吹き込み、今後、オーストラリア南部に大雨を降らせる見通しだ(出典:オーストラリア気象局)

 オーストラリア気象局(BOM)によると、最大級「カテゴリー5」のサイクロン「イルザ」が14日未明、西オーストラリア(WA)州北西部ポートヘッドランド西方に上陸した。中心気圧は928ヘクトパスカル(現地時間13日午後7時時点)と非常に強い勢力を保ち、上陸地点付近では記録的な強風が吹いたと見られる。

 カテゴリー5は、最大風速時速200キロ(秒速55.6メートル)以上、最大瞬間風速時速279キロ(秒速77.5メートル)以上と定義される。

 公共放送ABC(電子版)によると、WA州北部から40キロ沖合にあるベッドアウト島では時速289キロ(秒速80.3メートル)の最大瞬間風速を記録した後、風速計からの通信が途絶えたという。

 ただ、建物の屋根が吹き飛ばされ、大型トラックが横倒しになるなどの被害はあったものの、ほとんど人が住まない遠隔地を通過したため、現時点で負傷者の報告はないという。

 また、オーストラリア最大の輸出商品である鉄鉱石への影響も回避された。世界最大の鉄鉱石輸出港であるポートヘッドランド港では、サイクロン接近に伴い船舶が沖合に避難したが、資源大手BHPやフォーテスキュー・メタルズなどの港湾施設に被害はなかった。このため、地元の港湾当局は14日、操業を再開した。

 イルザは上陸直後に「カテゴリー4」に格下げされ、その後も勢力を急速に弱めた。BOMによると、14日午後には「カテゴリー1」となり、大陸内陸部を時速34キロで南東に進んでいる。まもなく通常の低気圧となる見通しだ。

2つの低気圧の相乗効果で南部は大雨に

 心配された大きな被害を出さずに勢いを失ったイルザだが、約3,000キロ離れたオーストラリア南部の天候にも影響を与えそうだ。

 BOMによると、イルザから変わった熱帯低気圧と並行して、はるか南方海上を強い低気圧が東に進んでいる。これら2つの低気圧の相乗効果で湿った南風が吹き込み、南オーストラリア州や南部ビクトリア州、東部ニューサウスウェールズ州の南部では、週末にかけてまとまった降水量を記録する見通しだ。

 オーストラリア南部では、主要な輸出商品である小麦などの「冬作物」(南半球の秋に作付けして初夏に収穫する作物)の作付けが始まっている。この時期の大雨は冬作物の単収を向上させるため、生産者にとって朗報となる。

 南オーストラリア州南部の穀倉地帯にあるエアー半島で穀物と羊の混合農業を営むピーター・ウィルモットさんは、「20〜40ミリ」の降水量が期待できるとABCに話している。

「私たちにとってまさに黄金の雨。種を植えるシーズンに入り、いま牧草と穀物の作付けを始めたところなのです。本当に完璧なタイミングになりました」(ウィルモットさん)

■ソース
Tropical Cyclone Ilsa to bring heavy rainfall to central and south-eastern Australia(ABC News)

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