被害者は65歳以上の高齢者が26%
オーストラリアで詐欺の被害金額が急増している。オーストラリア競争消費者委員会(ACCC)が17日に発表した詐欺に関する報告書によると、2022年の被害総額は、報告されているものだけで31億5,000万豪ドル(約2,800億円)と前年比で79%増加した。
ACCCが運営している詐欺被害報告・啓発サイト「スキャムウォッチ」(Scamwatch)のほか、オーストラリア国税局(ATO)、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)、オーストラリア通信メディア局(ACMA)などの政府機関、民間金融機関などに報告された合計50万7,284件の被害例を集計した。
詐欺のタイプ別で最も被害額が多かったのは投資詐欺で15億豪ドル、通信企業などを名乗って金銭を騙し取る「遠隔操作詐欺」が2億2,920万豪ドル、「支払い先転送詐欺」が2億2,490万豪ドル、マッチングアプリなどを悪用した「ロマンス詐欺」が2億1,020万豪ドル、偽のウェブサイトに誘導してクレジットカードなどで支払いさせる「フィッシング詐欺」が1億5,750豪ドルなどとなっている。
ACCCのスキャムウォッチに報告された事例だけで見ても、被害額は5億6,900万豪ドルと前年比で76%、20年比で224%それぞれ増加した。報告件数は23万9,237件あった。詐欺師からの連絡手段で最も多かったのがテキスト・メッセージ(携帯電話のショートメッセージ)で全報告件数の33%を占めた。電話(29%)、Eメール(22%)、インターネット(6%)、ソーシャル・メディアやオンライン・フォーラム(6%)がこれに続いている。
被害者の年齢別割合(被害額ベース)は65歳以上が26.4%と最も多く、次いで55〜64歳が21.0%、35〜44歳が19.3%、45〜54歳が18.6%などとなっている。
ACCCは詐欺被害に遭わないために次の注意点を呼びかけている。
◇ストップ−素性が不確かな相手に、金や個人情報を絶対に渡さない
◇考える−メッセージや通話が偽物かどうか、常に自分に問いかける
◇守る−何か変だと感じたら、すぐに金融機関に連絡し、リポートサイバー(ReportCyber)やスキャムウォッチなどに報告する
■詐欺被害の報告先