2021/22年度は20万人以上増加
新型コロナウイルスの感染拡大以降、減少していたオーストラリアの大都市の人口が、移民受け入れ再開を背景に増加に転じている。
オーストラリア統計局(ABS)が20日に発表した地域別の人口動態統計によると、2021/22年度(21年7月〜22年6月)の国内8州・準州の州都の人口増加数は合計20万5,400人と前年度比で1.2%増えた。国境封鎖による移民受け入れ停止やリモートワークの定着による地方への転出を背景に4万7,300人減少した20/21年度から、プラスに転じた。
人口増加のペースは、21万7,000人増えた19/20年度(最後の3カ月でコロナ禍の影響を受けた)を少し下回る水準まで回復した。コロナ前の18/19年度は27万7,400人増だった。
人口変化の内訳を見ると、地方への転出は続いているものの、自然増減(出生数と死者数の差)のプラスと移民受け入れ拡大による増加が、これを大きく上回った。8都市の人口は、国内の転出で4万7,200人減った一方、海外からの移民が15万1,400人増え、10万1,200人の自然増があった。
都市別に見ると、21/22年度の人口増加数が8都市で最も多かったのは第3の都市、東部ブリスベンで、5万9,156人と前年度比で2.3%増え、22年6月30日時点の人口は262万8,083人だった。続いて第2の都市、南部メルボルンの増加数は1.1%増の5万5,038人で、人口は503万1,195人。最大都市の東部シドニーは0.7%増の3万7,325人で、人口は529万7,089人となった。
なお、都市別の人口密度が最も高かったのはシドニーで、1平方キロ当たり7,022人だった。ブリスベン(6,984人)、メルボルン(2,956人)がこれに続いている。居住区域別で人口密度が最高だったのは、メルボルン市内中心部(CBD)北部(3万3,500人)。2位はメルボルンのサウスバンク東部(2万1,500人)、3位はシドニー市内南部のヘイマーケット(1万9,500人)だった。