全国平均は0.4%、シドニーは1.3%上昇
オーストラリアの住宅価格の底打ち感が強まっている。不動産情報会社コアロジックが1日発表した全国の住宅価格指数(4月30日時点)は、3月末比で0.5%上昇し、3月(前月比0.6%上昇)に続いて2カ月連続で前月を上回った。過去3カ月間の上昇率は1.0%となった。
主要都市別で見ると、総人口の約半数を占める3大都市圏でいずれも価格の反転傾向が鮮明になった。最大都市の東部シドニーでは1.3%上昇し、3カ月連続で前月を上回った。南部メルボルンでは0.1%、ブリスベンでは0.3%、それぞれ2カ月連続で上昇した。
指数が2カ月連続の上昇を記録したことについて、コアロジックのティム・ローレス調査部長は次のように指摘している。
「住宅市場が(価格反転の)転換点を越えたことが、いっそう明らかになってきました。住宅価格が全国のほとんどの地域で安定化または上昇に転じただけではなく、ほかの指標を見ても好転していることが見て取れます。競売成立率は長期平均をわずかに上回り、購入意欲は高まっており、住宅販売件数も過去5年の平均値に近づきつつあります」
オーストラリアの住宅価格は2020年以降のコロナ経済対策の金融緩和を背景に高騰したが、22年5月以降の急激な利上げを受けて大幅に反落。同指数は全国平均で2022年5月から23年2月までに9.1%低下していた。
それでも、コロナ前と比較すると依然として高水準にある。4月末時点の住宅価格(戸建てと集合住宅の平均)の中央値は、シドニーで103万1,138豪ドル(約9,400万円)、メルボルンで75万1,125豪ドル、ブリスベンで70万5,016豪ドル、全国で70万9,130豪ドルと歴史的な高値圏にある。
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