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財政収支は大幅に改善へ 9日発表のオーストラリア新年度予算案

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力強い労働市場と資源価格の高騰が税収に寄与

9日に新年度予算案を発表するオーストラリアのジム・チャーマーズ連邦財務相

 オーストラリア連邦政府が9日発表する新年度予算案の財政収支は、これまでの想定と比べて大幅に改善する見通しだ。政府財政は大盤振る舞いのコロナ経済対策を背景に悪化していた。しかし、力強い労働市場やコモディティー(商品)価格の高騰を背景に税収が上振れしたため、単年度の赤字額は昨年10月の予測から縮小する公算が高い。

 ウェストパック銀の試算によると、2022/23年度(22年7月1日〜23年6月30日)の赤字額は、昨年10月の予算案発表時の予測から300億豪ドル改善して69億豪ドルに縮小。23/24年度の赤字額は同365億豪ドル改善して76億豪ドルとなる見通しだ。

 なお、オーストラリアの予算案は例年、新年度前の5月に発表されるが、昨年は5月の連邦選挙で労働党が政権を奪回したため、10月に改めて22/23年度予算案を発表していた。

 ウェストパック銀は財政収支が大幅に改善する理由として「高いコモディティー価格、広範囲な高いインフレ、力強い労働市場」を挙げた。

 チャーマーズ財務相も7日、公共放送ABC(電子版)のインタビューで、新年度予算案で単年度の財政黒字を見込めるかどうかは言明しなかったものの、財政収支は大幅に改善するとの見通しを示した。

 財務相はその要因として「コモディティー(の価格上昇)は重要だが、それだけではない」と指摘した。財政収支改善に対する寄与度は「労働市場の改善と低失業率、賃金の伸び」が40%と最大で、コモディティー価格の上昇は20%にすぎないという。

■ソース

Federal Budget, preview, New policy and cost escalation to trim improvement, Bulletin(Westpac Banking Corporation)

Millions to receive up to $500 in energy bill relief at federal budget, as Treasurer flags broader cost of living support(ABC News)

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