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50年前に絶滅したカモノハシの再繁殖目指す シドニー南方ロイヤル国立公園で放流開始

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「気候変動の隠れた犠牲者」と保護団体代表

単独行動で警戒心が強く、環境の変化に敏感なカモノハシ(Photo: Brisbane City Council @Creative Commons)

 オーストラリア東部シドニー南方のロイヤル国立公園内の河川で14日、カモノハシのメス5匹が放流された。同国立公園では約50年前に絶滅したカモノハシの再繁殖を目指す。メスが縄張りを確保するのを待って、1週間後にオス4匹を追加で放流する。

 再繁殖の取り組みは、地元ニューサウスウェールズ(NSW)州政府の国立公園野生動物局(NPWS)、シドニーのタロンガ動物園などを運営する「タロンガ動物保護協会」、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)、世界自然保護基金(WWF)オーストラリア支部が共同で実施している。

 放流された個体は、NSW州南部で捕獲され、タロンガ動物園で飼育されていた。身体には発信器が取り付けられており、研究チームが追跡して再繁殖の成果を確かめる。

 カモノハシはオーストラリア固有の水棲動物で、哺乳類でありながら卵を生むことで有名。大陸東部から南東部の河川や湖に生息しているが、開発や干ばつ、気候変動などで脅かされている。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「準絶滅危惧種」に指定されている。

 タロンガ動物保護協会のキャメロン・カー代表は「カモノハシは警戒心が強く、捕えにくい生態のため見るのが難しい動物。水面下では干ばつや環境の変化に敏感で、影響を受けやすい。気候変動の隠れた犠牲者なのです」と話している。

■ソース
Platypus return to Royal National Park for the first time in decades(NSW Government)





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