安いプライベート・ブランド商品が人気
オーストラリアのスーパーマーケット市場の約7割を寡占する「ウールワース」と「コールズ」の大手2社が、インフレを上回るペースで食品の価格を引き上げていたことが分かった。大手投資銀行UBSが実施した調査結果について、公共放送ABC(電子版)が伝えている。
これによると、2社が販売している6万点以上の食品の価格変動を調べたところ、4月までの1年間で平均9.6%上昇した。豪統計局(ABS)によると、3月期(1月〜3月)の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で7.0%上昇。このうち「食品・飲料(アルコールを除く)」は同8.0%上昇しているが、スーパー大手2社の値上げ幅はこれを大きく上回っていた。
コールズの価格上昇率は3月が前年同月比9.1%、4月10.5%と加速した。一方、ウールワースは3月9.7%、4月8.7%と伸びが鈍化した。
UBSのアナリストはこれまで、食品インフレは2022年12月にピークを打ったと見ていたが、予測に反する結果となった。
UBSのショーン・カズンス氏は「食品インフレがさらに加速した背景には、商品価格や国内供給網の賃金などのコスト押し上げ圧力がある」と指摘した。同氏によると、消費者の間ではより低価格のプライベート・ブランド商品にシフトする動きが出ている。ただ、食品のインフレは4月に頭打ちとなり、今後緩やかに減速していく見通しだという。
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