周辺住民50人、最低1週間は家に帰れない
オーストラリア・シドニー市内南部のサリーヒルズで25日午後4時すぎ、現在使用されていない7階建ての建物など2棟が激しい炎に包まれ、全焼する火事があった。公共放送ABC(電子版)によると、現場では浮浪者と見られる人たち約15人が寝泊まりしていたが負傷者はなかった。周辺住民も宿泊施設などに避難した。
ニューサウスウェールズ州消防レスキュー隊によると、消防士120人以上と消防車30台が消火に当たり、同日夜までに消し止めた。しかし、焼け残った壁が倒壊する恐れがあるため、付近の避難命令は少なくとも7日間は続く見通しで、住民約50人が家に帰れない状態だという。
ABCによると関連があると見られる2人が警察に出頭したが、現時点では出火原因が放火かどうかは断定できない。
ニューサウスウェールズ州警察のポール・ダンカン副警視総監代理は26日、いずれも13歳の未成年者2人が25日夜に別々の警察署に出頭し、取り調べを受けていると表明した。火事発生当時、現場から走り去る若者のグループが目撃されており、警察はほかに3、4人の若者が関与している可能性があると見て出頭を呼びかけている。
現場は鉄道網の拠点であるシドニー中央駅から直線距離で数十メートルと近く、中層のビルや住宅、倉庫などが密集するエリア。
焼失した建物の1つは築100年以上のレンガ造り。以前は帽子工場として使われ、歴史的建築物に指定されていた。2019年には、隣接した建物と一体で再開発する計画がシドニー市に申請されていたという。しかし、ダンカン副警視総監代理は「現時点では、建物の占有者の有無、開発中だったのか、取り壊す予定だったのかなど確かな情報がない」と述べた。
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