現場で寝泊まりしていた2人が行方不明
オーストラリア・シドニー市内南部サリーヒルズで25日、廃墟となっていた7階建ての歴史的建築物が全焼した火災で、ニューサウスウェールズ州警察は27日午後、先に出頭した13歳の少年2人に加えて、新たに12歳の少年1人を任意で取り調べていると発表した。
ただ、現時点では起訴に至っていない。状況から放火の疑いが濃いと見られるが、出火原因は特定されていない。現場には残り火がくすぶっており、燃え残った壁が倒壊する恐れがあるため、同日時点では現場検証を行えない状況だという。
一方、放火事件捜査の警官で構成する州警察の特別捜査班は、火災発生前の不審な動きについて、市民に情報提供を要請している。特に、25日午後2時45分から午後4時の間に現場のランドル・ストリートで撮影された防犯カメラや携帯電話の映像があれば、警察に提供するよう呼びかけている。
火災は25日午後4時すぎ、シドニー中央駅から数十メートルしか離れていない築100年以上の元帽子工場ビルで発生。消防士約120人と消防車30台が消火に当たり、同日夜までに火は収まったが、隣の建物を含む2棟を焼失した。
当初、犠牲者はなかったと報じられていたが、公共放送ABC(電子版)によると、現場で寝泊まりしていた浮浪者と見られる15人のうち2人が行方不明となっている。警察によると2人の身元は分かっていないという。
ABCによると、焼け残ったレンガ造りの外壁が一晩で7センチ内側に傾いていて、倒壊の恐れがある。このため、現場周辺は引き続き立ち入り禁止となっており、付近の住民は避難生活を強いられている。消防はドローンなどを使って現場の状態を調べながら、解体方法を慎重に検討しているという。
■ソース
Arson Unit detectives appeal for witnesses with vision prior to Randle Street fire(New South Wales Police Force)
Third boy assists detectives with investigation into major blaze that ripped through historic Sydney building(ABC News)