マグニチュード3.8 「この規模ではダメージない」と専門家
オーストラリア地球科学局の発表によると、28日午後11時41分、オーストラリア南部ビクトリア州サンベリーを震源とする地震があった。地震の規模を示すマグニチュードは3.8。震源の深さは2キロメートル。
公共放送ABC(電子版)によると、震源地から南東に約30キロ離れたメルボルンで建物の揺れが観測された。北は同州ベンディゴ、南はタスマニア州ホバートまでの広範囲で有感地震が観測されたが、負傷者や建物の被害は報告されていない。
地球科学局の地震学者、ヒュー・グランビル氏はABCに「この規模の地震では通常、被害はない。おおむねマグニチュード4.5以上にならないと、壁面にヒビが入ったり棚が音を立てて揺れたりといった小規模な損害は発生しない」と述べた。ただ、今後数日間は余震の可能性があるとしている。
また、メルボルンの「地震研究センター」(SRC)のアダム・パスカル首席研究員によると、メルボルン都市圏で発生した地震としては今回が過去100年で最大規模だという。パスカル氏は「同都市圏では1902年以降、マグニチュード4以上の地震は観測されていない」と指摘した。
メルボルンでは2021年9月にも有感地震があり、市内の一部で建物の壁が倒壊する被害があった。マグニチュードは5.9とオーストラリアの地震としては比較的規模が大きかったが、震源地はメルボルンの東約130キロと市街地から離れていた。
オーストラリア大陸は巨大地震を引き起こすプレート境界から離れており、ヨーロッパ人の入植が始まった18世紀以降の記録が残る範囲では、大規模な地震災害はほとんど起きていない。例外としては、1989年12月に東部で13人の犠牲者を出したニューキャッスル地震(マグニチュード5.6)がある。
ただ、小規模な地震は日常的に発生している。地球科学局によるとマグニチュード3以上の地震は年間平均約100回、ニューキャッスル地震に匹敵するマグニチュード5以上の地震はおおむね1〜2年に1回のペースで発生しているという。ただ、オーストラリアは広大な国土に対し、人が住んでいるエリアが非常に限られている。このため、人が住んでいない遠隔地で地震が発生するケースが多く、被害が出にくい。
■ソース
Earthquakes@GA(Geoscience Australia)
Earthquake reported at Sunbury near Melbourne, impact felt in city’s CBD(ABC News)