現職ロウ氏の任期は9月まで
オーストラリアに住む私たちの生活に大きな影響を与える金利政策について、強力な権限を持つ中央銀行・豪準備銀(RBA)の次期総裁人事が、間近に迫っている。同国のジム・チャーマーズ連邦財務相は、9月に7年の任期が切れるフィリップ・ロウ総裁(2016年就任)の後任を7月に指名する方針だ。
公共放送ABC(電子版)によると、チャーマーズ財務相は22日、「(人事を)7月に発表することを目指している」と語り、連邦議会の閉会中(7月31日開会)に公表する意向を示した。
RBA総裁の任期は最長7年だが、再任が可能となっている。イアン・マクファーレン元総裁(1996年〜2006年)は7年の任期を終えた後続投し、2期目の途中で引退して10年務めた。後を継いだグレン・スティーブンス前総裁(06年〜16年)もマクファーレン氏の残りの任期をまっとうした後、再任され、10年間職務に就いた。
注目の後任人事をめぐっては、ロウ総裁の続投か、ミシェル・ブロック副総裁の昇進が順当と考えられる。だが、過去には財務官僚から転じたバーニー・フレーザー氏(89年〜96年)のように外部から登用された例もある。
ABCによると、ロウ総裁は以前、要請があれば2期目を務める意向を示している。一方、ブロック副総裁は今週、次期総裁人事について「ノーコメント」と答えた。バロック氏が昇格すれば、オーストラリア初の女性中銀総裁が誕生する。
RBAは、◇通貨の安定、◇完全雇用、◇経済的繁栄の実現を目的に、中長期的なインフレ目標を達成するための金融政策の舵取り、金融システムの安定化、通貨の発行などを手掛けている。
近年の主な先進国の中央銀行と同様に、RBAは金融政策に関する独立性が担保されているが、連邦政府100%保有の法人であり、総裁・副総裁の任命権は時の財務相にある。
■ソース
Next RBA governor to be named in July(ABC News)