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ドローン1,000機が冬の夜空照らす 光の祭典「ビビッド・シドニー」に過去最高の328万人来場

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イベント少ない閑散期に観光客誘致狙い成功

 オーストラリア東部シドニーの夜を鮮やかなイルミネーションやプロジェクション・マッピングで彩る毎年恒例の祭典「ビビッド・シドニー2023」が5月26日〜6月17日に開催され、観客数は約328万人と過去最高を記録した。コロナ禍により2年連続で中止された後、再開された22年と比べて約30%増加した。主催者のニューサウスウェールズ(NSW)州政府が21日、発表した。

ハイライトとなったドローン・ショー(Photo: Vivid Sydney)

 今年の目玉は、1,000機以上の小型無人機が冬空を舞うドローン・ショー。予告されていた6夜の開催に加え、最終日の夜にもサプライズで行われ、観客を魅了した。オペラ・ハウスやハーバー・ブリッジ、旧税関庁舎ビル、シドニー市役所会堂、セントラル駅舎などの街を代表する歴史的建築物が光の映像で照らされ、市内北部サーキュラー・キーから南部セントラル駅まで8.5キロのルートに57のインストレーションを展示するなどした。光のアートだけではなく、音楽や舞台芸術、グルメのイベントも開催された。

シドニー・オペラ・ハウス(Photo: Vivid Sydney)

 NSW州政府によると、開催期間中の市内の飲食店利用者数は約74万5,000人と前年比で4万人以上伸びた。入場者のうち81%が食事や飲み物を購入した。また、期間中の市内中心部のホテルの稼働率は78%と前年比で12%上昇し、金曜日と土曜日は90%に達したという。

シドニーを代表する建築物「ハーバー・ブリッジ」も色とりどりの光で照らされた(Photo: Vivid Sydney)

 NSW州のジョン・グレアム雇用・観光相は、声明で次のように述べている。

「シドニー市民と訪問客に夜の街を楽しんでもらうことができ、世界に向けてシドニーの魅力を発信しました。(観客数の)数字はいかにビビッド・シドニーの人気が高まっているかを示しています。訪問客と地元市民、クリエーター、エンターテイナー、外食や宿泊産業がいっしょになって、イマジネーションを掻き立て、体験を共有することができました」

シドニー市内中心部バランガルーの公園も幾何学模様の発光体が敷き詰められた(Photo: Vivid Sydney)

 ビビッド・シドニーは2009年、英環境音楽家ブライアン・イーノ氏らが、節電を訴える目的でシドニー・オペラ・ハウスを「光でペイントした」のが始まり。以来、シドニー市内各地に広がった。南半球にあるシドニーの冬は、クリスマスや大晦日の花火大会、LGBTQIの祭典「マルディグラ」などが目白押しの夏と比べ、季節の大型イベントがほとんどなかった。閑散期の冬に観光客を集める大規模な祭典として年々、規模を拡大している。

■ソース

Vivid Sydney biggest on record, Media Centre(Destination NSW)

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