全国平均1.1%上昇 2月の底値から3.4%高く
不動産情報会社コアロジックが3日発表したオーストラリア全国平均の住宅価格指数は、6月30日時点で前月末から1.1%上昇(5月は1.2%上昇)した。3月以来4カ月連続で前の月を上回り、昨年以降落ち込んでいた不動産市況の回復傾向が続いていることを示した。
合計で総人口の半数以上を占める3大都市圏で上昇が継続した。最大都市の東部シドニーは1.7%上昇(5月は1.8%上昇)、南部メルボルンは0.7%上昇(同0.9%上昇)、北東部ブリスベンは1.3%上昇(同1.4%上昇)となった。
オーストラリアではコロナ経済対策の実質ゼロ金利政策を背景に、借り入れコストが低下したため、2020年以降に空前の不動産ブームが起きた。コアロジックによると、全国平均の住宅価格指数は感染拡大から22年4月のピークまでの約2年間に26.2%上昇した。
しかし、豪中銀が22年5月以降、激しいインフレを抑え込むため急激な利上げを続けていることから、同指数は23年2月の底値まで9.1%下落した。その後、反発に転じ、これまで4カ月間に3.4%上昇しているが、22年4月のピーク時と比べると依然として6.0%低い水準にある。
コアロジックのティム・ローレス調査部長によると、州都の売り物件の在庫が需要に対して引き続き不足していることが、住宅価格を押し上げているという。ただ、同調査部長は「価格の上昇ペースは鈍化しており、金利がこれまでの想定より上昇するとの観測を反映しているかもしれない」と述べ、今後は追加利上げが住宅の需給バランスにマイナスの影響を与える可能性があるとの見方を示している。
■ソース
Hedonic Home Value Index, 3 July 2023(CoreLogic)